カブトムシは人の声を理解する。

大切な記録なので、久々にコンピュータとは関係のないボヤ斬るを書き込んでいきます。

彼がうちに来たのは、8月の5日。朝出勤する際にマンションの階段に居るのを発見し、嫁さんに話し連れ出して見せてあげました。
嫁さんは実物でリアルに外に居るのを見たのは初めて。その後彼女は、連れて帰りました。

そして、その日、嫁さんは仕事帰りに都内のスーパーでケースを購入。晴れて、彼はうちの住人になりました。

名前はカブチン、もう、そのまま。

もう、こういうのを飼うのは初めてな経験である嫁さんはゼリーやら銘木?やら買い込んで有頂天。
楽しい家族の一員になりました。

その後、栃木に住んでいる弟の息子達の「カブト」仲間のうちから、メスを一匹譲ってもらい、カブチンはツガイに・・・。
なるはずだったのですが・・・


なぜか、彼女はカブチンをまったく相手にしてくれないのです(涙)。

カブチン、何かを悟ったように手を出しません。襲いもかかりません。
・・・こんな可哀想なカブチンに私たちは同情し、いつのまにか、2人で仲良く毎日声をかけたりと、まるで会話が出きる相手のように世話するようになりました。
後日解ったことだですが、このとき、メスは既に弟のカブト群の誰か別のオスの子供を身ごもっていたようです。
このメスが動かなくなった後に土を奇麗にしていたときに、卵を見つけました。時期を逆算するとアリエナイので、、それで判明です。

その後、カブチンは、独りになりましたが、うちの住人として毎日カーテンに連れていってあげると下のほうから健気に上まで登っていったり、私達のシャツの上を這い上がったりと、それはもう、元気一杯でした。
手に乗るのが好きでした。手の上でぐるぐる周って徘徊してました。
もう、なんというか、可愛いい。

私たちは、常に、朝や晩に「カブチン元気?」とか、ごはんだよー、とか、声をかけ、ときにはポニョの歌をパクってカブチンの歌!?を歌ってあげたりと楽しく過ごしました。

カブチンは、いつの間にか、それに呼応し歌ったり、おはよう〜と声をかけると、ツノをクイクイっと上下に振るようになりました。
なんというか、間違いなく私たちの声や歌に反応して角を上下していました。


まさか!?
と、お思いでしょう。
でも、インターネットで色々ログを見てると、幼少期に人間の声には聞こえない音で会話している?っていう書き込みもあるぐらいなのです。
カブチンは私たちの声や歌に応えるようにツノで反応してくれました。

私はカブチン(カブトムシ)は人間の声を理解できると、このとき確信しました。

・・・少し戻し、10月になり、寒さが見えてきたので、彼のために、下にひくヒーターを購入しました。
できるだけ寒くないように配慮し、ケースの周りに断熱材などを置いたり、色々配慮していました。
幸い、その後も元気にカブチンと楽しく過ごせました。

8月の終りで普通の寿命をまっとうしてしまったメスに比べ、11月になっても元気いっぱいのカブチン。
スダレを登ったり、ゼリーをほおばって食べたり。相変わらず歌で声をかけると合せてツノをクイクイっと振ります。
そうそう、彼はiPodのケースが好きでした。よくしがみつくのでそれに餌を載せたりしました。いつの間にか銘木より餌はiPodです(笑)

また、頭(カブト部分=実はこれは胸に相当する)をゆっくり撫でると、前脚2本でバンザイしてくれる姿がたまりません。もう、これがとてもカワイイ(笑)

11月に入って、埼玉もめっきり寒くなり、彼の体が良く冷たくなっていることに気がつきました。
寒い日は時間を見て、できるだけ両手で包むように温めてあげたり、例年ではありえない早い時期に「暖房」・・・エアコンを稼働させ、部屋をできるだけ寒くないよう心がけていました。

でも、一昨日、いつも以上に徘徊し、夜中もやたら動き回っている姿を目撃しました。

そうです。あの時を察知しました。

メスの時もそうですが、死ぬ間際には自分の隠れ場所を求めて彷徨うのは昆虫のサガです。

個人的には、ついに、きたか、と思いつつも、実は嫁さんにはそのことを黙っていました。
思えば、11月に入ってから、手の先がプルプルと老人のように震えていたり、力が弱くなっていたきがします。
餌の食いつきも悪かったです。


そして、9日である、昨夜、6本の脚のうち、前足を除く4本が硬直してしまいました。
なぜかあり得ない位置にて転倒しているカブチンに嫁さんが気がつき、触った所、脚が4本硬直していることに気がついたようです。
いつもより軽くなったカブチン。・・・嫁さんは、もう涙目です。
嫁さんも感じとったのでしょう。


でも、それでも、前足で必死に歩いて動く、カブチンの姿がそこにありました。
私は彼に声をかけてあげたり歌を歌ってあげたりといつものようにしてあげると、カブチンはちゃんといつものようにツノを振り楽しんでくれます。

胸(カブト)を撫でてあげると、弱々しくなりながらもかろうじて動くたった2本の両脚をあげようとしてくれる健気さがまだあります。

でも、カブトムシを小さいときに飼っていたことのある私には、判ります。
だから、さすがのオレでも涙目になります。

そして・・・。



彼は、きっと何かを伝えるために私たちの前に現れたんだと思っています。
今年の夏は、家を建て始めたと同時に、彼に出逢えました。

とてもかけがえのない思い出が出来ました。
それに判ったことがあります。

カブトムシは人の声や歌を聞き取ります。私たちを理解します。



カブチン、ありがとう。

君と出逢えてよかった。

昨日は、大人になって、久しぶりに泣けました。