iPhone log#29/MacBook13Late2008#7: MacOS X 過去遺産

最近、とりあえずbootcamp用のHDDは引き出しの中に追いやって、IntelSSD+VMWareでの運用に戻した状態のmacbookですが、ついでなので、sheep shaverを使ったMacOS Classicにもチャレンジしていたり。

しかし、こちらもうまくいかない。CDからディスクイメージまでのインストール等はイケるんだけど

? MacOS9以降ではCDが見えない
? MacOS8.6まではインストーラCDからインストールまでは出来る
? しかし、そのディスクイメージをOSX側で開いちゃうと壊れる
? dmg形式、ハードディスク扱い、スパースバンドル色々やってるが同じ

なんて状態です。なんだか久しぶりに「インストール馬鹿」になりつつある自分に気がつき、その時間がもったいないので、昨日一日で辞めちゃいました。

でもちょっと悔しい(笑)
・・・MacOS9時代のソフト資産も今また使えれば、結構いいな、とも思ったんだよな。


で、iPhoneって、そういう昔のOSの時代のUIに関る試行錯誤の経験、意外に生きている気がします。


それは、「ごちゃごちゃ作り込まないようにし、細々見せないこと」

最近ってところに特に感じます。

MacOS9までは、日本の携帯の如く色々な機能をどんどんと詰め込んで行ったわけですよね。
でも結果、末期の9.2.1のあたりでは、色んな機能はあるけど、本来シンプルがウリだったOSのMacが、あれもこれも、って感じで便利だけど独自進化色がやたら強かった。

最後は、Macはとっつきやすくて簡単だよ、と言えないOSにまでなっていました。

MacOS X登場の時に、色んなものをリセットした。そして解りにくい機能を一旦捨て、必要なものから順番に整備し、再構築したおかげで、MacOS X 10.5.5は MacOS X 9.2.1 より「トテモ」シンプルな気がします。

やってることは、例えばexposeやらspaces、画面共有・・・とOS9.2.1単体では出来たり出来なかったりというシンプルな「利用を考えたケースbyケースを想定した便利機能」であって、あのころではspacesみたいなことはフォルダを画面はじっこに寄せてタブ化したりWindowShadeで個個に折り畳んで場所を節約したりしたわけ。
今は、そんな不毛な操作しなくていい。タブ化もDockがやってくれる。

他のPCのリモートコントロールも、AppleRemoteAccess(ARA)とかいう別ソフトを入れないと出来なかったり・・・してましたよね。

今は、サーバアイコン選んで「画面共有」ってボタンを押すだけでリモート接続して操作できる(しかもサーバーの再起動まで見守れる・・・リスタートして再びFinderが使えるまでずっと接続が切れない!・・・スゴイ)。

とにかく、OSそのものが、非常にシンプルでやりたいことが簡単にできるようになっている。

アニメ調のClassicOSを見ているのも楽しいのですが、やはり数年分の「進化」をXには感じることができます。

特にUIに関しては非常に洗練された感じを受けます。

こういう、ある意味、文化、背景を背負って生まれてきた、タッチUIなのでiPhoneのUIはシンプルで使いやすいのかもしれません。

まぁ、それでも、既存のUIとの接点でユーザーが戸惑わないよう、苦肉の策として左上の「前に戻るボタン」があったりしますが・・・。
(あれなくなって2本指で戻るにすれば便利なのに、と思う半面初心者は戸惑うだろうから妥協の産物なんだろうな、といつも思う)。

Macが世に伝えたGUIは、その前のキャラクターベースのUI(CUI)を置き換えた素晴らしいものですが、今、iPhoneはその更に先の「Touchable UI」(TUI)を世に送り出したような気がします。

でも、日本は昔からGUIやTUIを得意としていたはずです。

そう、ゲーム分野です。

ゲームデザイナー(またはゲームスタッフ)が考える、そのゲーム独自のUIでも、素晴らしく便利だなと思うところもあります。

例えば、ドラクエ等では当たり前に使われる、ループメニューカーソル。メニューの一番下に行ったら上にカーソルが行くってのは、AV機器の操作でも広く使われます。
他にもFF11とかで使われる歩く方向と自分の向きを2本のアナログスティックで操作するというUIも素晴らしい操作感です。

日本は、本来TUIを考えるのが得意なのです。

と、考えると、携帯電話の日本版UIやOSを作るヒントはゲームソフトにあるのではないかと思われます。
例えば、FFケータイ。その携帯電話でFFを違和感無く遊べるよう作りつつ、FFの主人公キャラになりきって仲間と連絡するのに携帯電話を使う操作を全てに違和感無く「ゲーム感」的に作り込んだ世界で操作させる。

決して、バーチャル人物を置いて操作させるわけじゃないですよ。
例えば携帯をグリップすると連絡先一覧が現れるスティック上の携帯とか(笑)ってことです。


前にも書いたのですが、

「今の時代に、閉ざされた開発環境でシコシコ開発してUI実装するの、
 時間の無駄じゃね?」

と、本当に思うのです。

日本にゲーム産業があるならば、その技術やノウハウは携帯電話のUI実装に役に立てないものでしょうか。

例えば、あのオヒツであるTP1の後継機も研究されているようですが、そのソフトの使い勝手にゲーム産業のノウハウは活かされないのでしょうか。

ゲームって、昔ゲーム業界に居た自分が言うのもなんですけど、時間を浪費し開発スタッフの労力も浪費し、ノウハウは他に転用できないという今の携帯電話ビジネスと同じ道がある気がしています。

こういう「もったいない開発リソース」を組み合わせて、日本に明るい道が見えるよう、上で会社を組織づくりしている人たちは検討してもらえないでしょうかね?


今の日本の産業をダメにしているのは、奇抜なアイデアを詰める方向で多面的なツッコミも出来ずにNoと言ってしまう保守的な上層部。
そして甘い汁を吸った旧世代の頭で構成されている天下りな人たち。

昔にどんな良い大学出ていても、今の時代が理解できなければ、ただのオっサンです。


さて、日本は変れるでしょうか?