iPhone log#27: iPhoneの版MacOS Xが凄いところ

さて、一つ視点を変えてMacOS Xをベースにしたということで色々考えてみたいです。
今までのPDAなどと比べて、iPhoneのOSがどれぐらい良くできているか、というところのみにフォーカスして考えていきたいと思います。

まず、今までこの辺り(携帯とかPDA)に搭載されてきたOSって、

TRON
Symbian
Palm(68系)
Linux(または亜系)
・WindowsMobile
・KCP系
・ある意味BREW
・これからのAndroid
・まともに世に出ないALP
・独自

ぐらいかのぉ?
正直、全てのOSを詳しく知らないのでどれがどう、っていう優劣を付けることはできないんだけど、素人目で判る「差」ってのは

GUIなクラスを標準でどれだけ持っているか否か

の差があるんじゃないだろうかっていうところ。
たとえば、CUIベースのLinuxTRONに独自のUIを被せて独自の進化を続けてきた日本の携帯、それを少しでも払拭しようとau等が採用してたKCPあるいみBREW

対して、SONYなどが採用して有名なSymbianや言わずもがなPalmAccessに移ってALP)、MacOS X、WindowsMobile。
表層的な表現を初めから提供しているかどうかで、今後の活き死にが分れそうな気がしてきます。
たとえば、Linuxを大々的に採用して一時期には話題だったザウルスも、今はまったく姿が無い。
Palmは本体がWindowsMobileにいったり買収されたりと色々あったので置いておくとして、ココ最近のスマートフォンはWindowsMobileかsymbianですし、はっきりいって、ですね、

「今の時代に、TRON系でシコシコ開発してUI実装するの、時間の無駄じゃね?」

と、言ってしまいたくなります。
あ、これで、日本の携帯の開発者全員を敵にまわした感じですが・・・。

正直言って、過去の資産を大切にするのも重要だけど、それをやり続けてきたために、

「今マルチタッチのUIを持ったOS1つ作るくらいのUIを実装を迫られている」

のが現実じゃないでしょうか。そして、

「あのソフトに対応するには、独自で」「あのソフトにはこの機能が使え無い」

あまつさえ、

「この携帯に併せてタッチ技術を導入するのにアプリ側で独自で搭載しなければいけない」

なんて、やってるんじゃないでしょうか。
これ、正直、日本の開発リソースの無駄づかいじゃないでしょうか。

この人たちが必死でUIを「パクリ」といわれつつも実装している時間、日本全体でどれぐらいつかっているんでしょうか。
なんだか、最後にOSを切り替えて、ハイおしまい、っていう無駄な開発パワーをまわしているんじゃないでしょうか。

って、私風情が騒いでも、変らないですよね、世の中。でも、ちょっと開発者が可哀想。


で、こういうことを話に出せば、少しは判るんじゃないかと思うんですけど、今までのPDAと、iPhoneとの大きな違い、私なりの観点からすると


・操作する側が「チマチマと」操作していない
・全てのソフトに置いて、共通の基本的なインタフェースがある
・革新的な試みもある
・なんでも本体で終わらせようとしていない


の4つが違うんじゃないかと。
特に、初めの「ちまちま」ってのは大きいです。
今までのPDAや携帯の操作って、たとえばスタイラスでスクロールの矢印やバーを「ちまちま」っと操作しているじゃないですか。

iPhoneは違います。印刷紙面を動かすように、細かいところを言えば「画面のどこから開始ししても良くて、どれぐらいのチカラ加減でぐいっと動かしても適切に反応する」わけです。
結構、単純にみえて凄いことですよ。例えば、320x480のうちの右から20dot、上から100dotの位置にある、16x16dotの△のパーツをつつく操作と、320x480のサイズのうちの80%のどこからでも開始して良くて、更にちっちゃなペンじゃなくて指、極端に言うと「コブシ」でも良い操作なわけ。

ちっちゃな所をめがけてちっちゃなペンをつつく操作をする姿と、指でサラリと撫でる姿、どちらがウツクシイですか?
そういう意味でも、全然違います。

そして、拡大するときにつまんで広げたりする操作や次のページに送る際に横に跳ね飛ばす操作、そういうの全ての操作を覚えると他のソフトでも同じことができる。
これが素晴らしい。
もっとも、これは「なんでも本体で終わらせようとしていない」っていう部分と同じでWindowsMobileやPalmOSに既に搭載されていましたし当たり前の事なんですけど、日本の携帯だと違うじゃないですか。ヒドイのはこのUIそのものを切り替えてしまうdocomoの着せ替えUIとか、Pとかのメニュータイプセレクトってやつ。試みとしては面白いけど使う側からすれば不便。
同じ携帯の機種を買った夫婦間でメニューUIの操作方法が違うっておかしくね?

とか、思うんですが、どうなんでしょう、それって俺の感覚がずれているのかもって思ってました。でも、やっぱり、おかしい。

(この部分、カットして次の日へ)

えっと、まぁ、なんだ、ソフトバンクのCMは、あれじゃiPhoneの良さ、全然ワカランじゃないか、ゲームしたりピアノ引ける携帯っていう説明になってて、まったく本質を得ていない。

日本て、なんでも「機能差」ばかり目に入っちゃうけど、もっと使い勝手を重視すべきだってのを、開発リソースはそっちに割けってのを知るいい機会なんだけどな、上の人間は判らないMだろうなぁ〜、とグチです。

あ、最後に「革新的な試みもある」ですよね、残ったの。iPhoneは「枯れた技術」の集大成とかいう人も居るみたいですが、枯れた技術の上に3つの革新的な技術を大きく搭載しています。

2つは「滑らせて入力(フリック)」と「複数の指でのタッチ(マルチタッチ)」です。

この2つを後ろに追いやって、枯れた技術なんていっちゃだめです。
少なくても、携帯やPDAでこれを実装してきたメーカーはほとんど無かったはず。

日本語入力で搭載されているフリック入力なんて最たるもの。あれ、素晴らしいですよ。普通の携帯のハードキーを「ちまちま」と押すの嫌になりましたもの。

また、複数の指を認識するから、つまんで広げるってことができるわけですし。
iPhoneマルチタスクでいくつもアプリを同時に使えるようになっても、3本指とか4本指を同時に押して、全てのアプリを一度に見る、なんてことも可能です(macbookでいうexpose機能)。
将来、CPU処理速度があがったものが登場すれば、どんどん進化を遂げるでしょう。

あと1つ、革新的な技術は「AppStore」です。
これは、もう、話す必要もありませんね。キャリアに縛られず、かつ全世界で統一されたフェアな市場、という意味でソフトを出す側としてはこれほど革新的なものはありません。
私も過去にhandangoとsonystyleとiambicでソフト販売をしたことがあります。それぞれで手数料も違います。手続きも違います。これをキャリア別や機種別にやらなきゃいけない大変さってのは、もう、容易に想像できます。

ユーザが触る第一印象・ファーストタッチを変え、ソフトの開発環境を変え、世に送り出す販売方法を変えた。
こんだけやったのが、Appleという会社のiPhoneなんです。

すごくないですかー?

たんなるスマートフォンの1つじゃないんですよ。

・・・と、どうせ、普通に飲み会で説明しても、判らない人が大多数。
日本は「受け身」「押しつけ情報」を基本としてるからね、ムズカシイヨね。こういう革新されたものを説明するときって。

で、結局、googleマップGPS付でみられますよーとか、スケジュール管理がPCと連動できますよー、とか、ゲームが簡単に手に入りますよー、とか、そういうのになっちゃうんだよね。

もったいない。


ソフトバンクも、他のメーカ携帯機種を売らなきゃいけないわけだから、日本のアップル自身で「iPhoneは3つの世界を変えた」って宣伝しないとだめなのかもね。
無理に飾る必要なしに。

あと、ソフトバンク、今、iPhoneを判る人間を育てるの大変かも知れないけれども、必ずプラスになります。
携帯販売員で、スマートフォンを判る人間なんて、ほとんど居ない。
詳しいこと判る人間ほとんど居ない。ここで教育して人が育てば、「スマートフォンが欲しいならソフトバンク」って言うことできるじゃないですか。そうしたら携帯の販売方法の世界までも変えてしまう、4つ目もできちゃうわけですし・・・。

結局、営業の最後は、人です。今頑張ってね。