広げすぎた風呂敷とガッカリ砲
iPhone3.0の話は、もうちょい後にして、とりあえず、FFの後なので、ドラクエ(DQ)の話を。
さて、今まで忘れ去られたDQが、もうそろそろ発売になるわけだが・・・。
色々なことが判ってきました。
まず、スクエア・エニックスでオンラインRPGといえば、有名なFF11Onlineがあり現在もっとも完成された日本のオンラインゲームと言えます。
前回のログでも書いたように、出た当初とはかなり出来が違う、奥の深いゲームになっていますが、これがあるだけに、WiFi対応、ネットワーク対応、そんなドラクエ、という触れ込みは、いつしか「FF11みたいなDQ」という思いこみが世間に定着していました。
もしかしたら、本当にそこまでを考えて作っていたのかもしれません。
少なくても初めに企画していたときは。
でも、実際にはじめてみると、こんなことが起こったんじゃないでしょうか(私の推測)
(1)DSのハードで2対2程度なら問題ないけど4人同時のマルチプレイは限界があった
(2)それでも無理やりWiFi対応でやってみたが、帯域的に無理がありすぎた
(3)そもそもドラクエの戦闘スタイルに複数プレイの意味を見いだせなかった
(4)FF11規模のサーバーを用意することが出来なかった(プログラム的に)
ぐらいかな。
たぶん、全部なんじゃないかな、と予想。
そして、一番は(3)なんじゃないかと。
そもそもドラクエの戦闘スタイルは・・・あくまでも私のやり方ですが・・・ムチや全体魔法、はやぶさの剣等を駆使する「一気に全部を倒す集中豪雨型」が基本。ターンも1〜3ターン以内で終わるような流れがほとんどだった気がします。
あと、1・3・4について、全部同じで、これは、つまり何を意味するかというと、
敵が出た!
↓
Aが剣で構えた
↓
敵1がCを攻撃
↓
Bが呪文を唱えはじめた
↓
Aが剣で敵1を攻撃
↓
Bがその直後にイオラで全体を攻撃
↓
敵のほとんどのHPが半分に
↓
Cがムチで残りを一掃
こんな戦闘スタイルを想像していたんじゃないだろうか。
たしかに、こうなれば楽しい。うまく連携していければ。
しかし、実際はこうだった(推測)。
敵が出た!
↓
Aに敵が出たことが判る
↓
Bは音楽が鳴ったけど、敵が見えない(ネットワークの速度遅延)。Cは見える。
↓
Cはコマンド待ち(Aを待つ)
↓
Aは剣で攻撃
↓
Bはまだ見えないし攻撃モードにならない
↓
CはBのコマンド入力が終わらないので何も出来ずただ待っている
↓
敵1がCを攻撃
↓
Aの攻撃がヒット
↓
Bはようやく敵が見えコマンド入力、イオラを唱える
↓
Cがコマンド入力をしようと思ったら、HPが黄色。こりゃあかん、ホイミを唱える
↓
Bのイオラがヒット
↓
後繰り返し。
気がついたら、Cはホイミしかしてねー(笑)
戦闘終わると、いつもCはHP赤で死にそう。
Cの言い分「俺、Bを待ってるせいで何もできない上に自分の回復しかできないからつまらない」
こんな感じ。
ようは、遠距離のネットワークを通すってことは、FFでも起こったラグの問題が関ってくるわけで、もとから中央のサーバーを経由してクライアントから指示を待つFFに対して、クライアント⇔クライアントで処理をしようと思っていたDQはハードの処理能力の低さもあいまって、実際のプレイに耐えられないんじゃないかと・・・。
で、そもそも1〜2ターン程度で終わる戦闘の毎にこんなのばっかりになったら「面白くない。イライラするだけ」の答えしか出て来ないんじゃないだろうか。
この状態が、発売直前で判ったので、「できないようにするためにプログラム改造するから3ヶ月発売延期になった」という筋書きがあったんじゃないかと推測しています。
ようは、初めはオンラインで北海道と沖縄の友達同士で楽しく遊んでね状態のゲームを目的としてたけど、それ作ったらイライラして悪評につながるだけだから辞めます。
その機能なくして帯域保証できる近場に居る人のみに限定するからその改造分延期。
っていうオチじゃないだろうか。
いやあ、確かに、、任天堂の携帯ゲーム機に対する姿勢は「みんなで持ちよってワイワイ」だったと思うんですけどね、RPGをみんなで持ちよってワイワイは、ないだろうって正直思います。
友達同士で誰かの家に集まって、宿題も何もせず皆で無言ときどき奇声ありでゲームを黙々と何時間も毎日やる姿を見て、親がなんと言うだろうか。
俺が親だったら、取り上げる。
今の世代の親なら、子に何も言えないでメーカーやマスコミに訴える。
正直、このドラクエは、限定範囲のワイヤレスプレイであってもちょっと?な部分はあったりします。
一緒に楽しんでも、一緒にストーリーが進むわけじゃない感じにも感じられますし。
ようは、「俺、このシーンのボス倒せないんだけど一緒にやってくれない?」的なオマケというか。
つまり、なんだ、
大きな、ガッカリ砲ですよ。広げすぎた世間の思いこみとともにやってくる。
そして、このドラクエの登場でひとつの大きな意味が世の中を覆うことになります。
「旧世代の技術を安く提供し工夫で遊びを変える」
という発想・・・今のWiiのことですが・・・は、「そのときはいいんだけどね」っていう言葉とともに同じようにガッカリ砲を撃つことに繋がっていきます。
まぁ、昔はそれでも3〜4年でゲーム機本体を取り替えてたから良かったんだけど、今の時代、そういうのナンセンスになってきたしね。
今さら、Wii新しくキレイになったSuperWiiがでます。みんな買い替えてね、っていっても買わないでしょう。
メーカーだって、作る気ないでしょう。新しいハードにするならiPhoneにするよ、ってなるでしょう。
それだけ、今の世の中のゲーム業界は危険な立場にあります。
私はこのドラクエが日本の今までのゲーム文化の幕引きになるんじゃないかと思っています。
あとは、iPhoneベースのミニゲーム的なものか、PS3、XBOX、Windowsで動作するオンライン主体のゲームのみが残る感じ。
知ってのとおり、陵辱系の規制から繋がるエロゲーの終焉もすぐそこにあります。
初心者層の「ユーザー」を注視しすぎたWiiとDSの路線は、哀しいかな、iPhoneの浸透とともに「作る側のモチベーション衰退」に繋がっているような気がしています。
だって、ライトなゲーム、ライトに作れるゲームならiPhone向けに作って出す方が儲かるんだもの・・・。
そりゃ、当然・・・・orz。
どうなっていくでしょうかね、この業界。
私は、もう、決別したので、見守っていくしかできません。