日本型小売ビジネスの崩壊は今年で完結するつもりでいかないと・・・
そもそも、日本で長く続いていた販売の手法が顧客側にも根づいてきたのは周知のとおり。
・インターネットの普及により、新聞や情報誌の必要性が薄れた
・量販店の郊外進出により定価という設定が意味を成さなくなった(オープンプライス)
・インターネットで検索すれば調べられる、という概念の定着で、大全集のような百科事典や時刻表などの類いの印刷物の需要が減った
・曲のダウンロード販売が始まり、気がつくと小売で買うことの意味が薄れてきた
・YouTubeやニコ動画、様々なダウンロード式の映像閲覧手段がレンタルショップおよび小売を脅かした
・レンタルショップのコミックレンタル開始やBookOFFなどの中古市場覇者の登場で新品を販売する小売の必要性が薄れた
・iPhoneの登場で、マイナーだったゲームをダウンロードで買うという手段が、主流にかわった
もう、ここまできて、小売=形のあるメディアに載せて販売する業種=の存在は、売る側にとって邪魔以外の何者でもない。
今までは、
メーカー→1次店→2次店→街のショップ→顧客
という図式があって、当然メーカーは大量に販売したい。でも顧客や街のショップは一度に何百枚という数値では発注できない、だから段階的に数を調整して販売していく、というスタイルが必要だった。
しかし、その実態は、単純に中間ネズミ講えだり、
メーカーは300円で販売→1次店で500円→2次店で600円→街のショップで900円
→顧客は定価1000円のところ、割引価格で850円で購入
って感じの流れであり、街のショップは2次店と交渉次第(量販店みたいなところはいきなり1次店やメーカーとかけあって安値で仕入し)定価という設定の割引で販売していたわけだ。
ところが、メーカー自身が自分で倉庫をアウトソーシングしてそこからの好きなだけ好きな場所へ出荷ができるようになってくると、中間は本当に要らなくなる。
メーカーは300円を350円で販売しても、顧客からみれば定価の7割以上が値引きされた価格で手に入るわけだ。
メーカーと顧客にとっては、WIN−WINの関係、でも中間は!!!って感じです。
でも、正直、どうするか、です。
そうでしょ?
メーカーは小売を配慮してダウンロード販売を躊躇する。
小売はダウンロード販売だけでなく、中古や量販店を意識して叩き売る。
利益はドンドン圧迫していくどころか、圧迫された利益は、売れない儲からないだから次の開発費をまわせない、前に使ったゲームを2次利用して別な形で儲けるしかない、DVDがBlueRayになったとしても、もともとあるマスタからクオリティを下げないで出すだけで巻数を多く収録してコンパクトにして販売するなんてユーザーのことを考えたりもしないで、利益追求になる。
もうね、悪循環ですよ。最後は、良いものを作る時間がなく、どこか過去に似たようなものばかりを作る羽目になる。
でも、これは、先の小売を守るための口実。
でも、その仕組や[先送りの逃げ]が今のしかかってくる。
買い手も売り手も臨んでいる進化を業界の「利益」が邪魔をしている。
そして、それは働いている、作っている人には還元されていない。
その仕組は、日本で変るのだろうか。
もう、変らないと、ダメだろ、何かしら。
そのためには、今の時代について行けていない、お年寄り管理職の給料を無くすしかないんだよな、本当は。
でもって、それは、その人たちが管理している以上、どうやっても無理。
あと20年必要なのか、ってのは前にも言ったよな。ほんと、どんどん苦しいな、これから。
次の世代までは。