現実を帯びてきた、PCとPDAの入換

去年の暮れあたりから、PDAがPCになる方向とは逆のPCがPDAになる方向性が、春の段階で見えてきた。
UMPCという流れだけでなく、4GBのSDが3.2万で買えるようになってきたことや、2枚のSDカードをドライブとして認識できるアダプタの登場が、私の考えていたスピードよりも3〜4ヵ月も早く実現した。
実用を考えると、テンポラリやキャッシュ用に2GB、OSに4GBという使い方がベストかもしれない。頻繁に書き換えて寿命や故障が来ることを考えると2GBの空間を遊びに考えていた方が良さそうだ。
また、可能かどうなのかはわからないが、OSの書換えが起こる部分を、全部片方のSDカードにまとめることができるのであれば、SDカードのライトプロテクト機能で書き換えない部分をロックし、ウイルスなどを防ぐことも可能かもしれない。
一番の恩恵は、爆速な起動スピード、アプリの実行速度の向上につきる。また、データをネットワークや別のメディアに記録するという使い方が、別の意味で色んなセキュリティ対策の1つの金字塔となるかもしれない。
データを持ち運ぶことへの問題、落とした時のメディアの対策、外部データを取込む際の危険、そういったこと全てに目を向けてくれるいい機会にも繋がるからだ。
そう、もうすぐ、HDDの世界はモバイルから切り離されても不思議ではない。
携帯にHDDを積む時代だが、それとは逆に小さなモバイルPCにはHDDが要らない世界が、もうすぐそこにあるのだ。
モバイルだけではない。たとえば音楽用やTV録画用に使っているPC、はたまた、1DINのPCに代表される車載用のパーツとしても注目だったりする。

個人的には、UMPCは家や車で「ガコっ」と挿せる形が望ましいと思っている。
持ち歩く時は小さなディスプレイでPDAみたいに、車に挿せば車で利用しGPSやFMの電波などを利用して様々な情報を「言葉」で伝えてくれ、家で「ガコっ」っと挿せば大画面のスクリーンで操作でき、サブのグラフィックカードを利用し家用のHDDユニットやLANHDDを認識して普通のデスクトップやゲーム機として使える。
そんな感じがいい。

PDAの利点を思い出そう。使いたい時にボタン一つでみたい情報が見られる、または簡単な操作で欲しい情報が検索できる、これに尽きる。
PalmOSはボタン一つで、って方は実現したけどCLIEでは欲しい情報が簡単に検索できる部分でアプローチが足りなかった。
「見たい情報を準備しやすい」環境がなかったのだ。

CSVやテキストでのデータは持ち歩けていたが、写真が付いていたり地図を添付したり、もっと極端なことを言えば関係する書類を1つにまとめて持ち歩けなかった。
1つの事柄にはPowerPointで作った資料もあればEXCELやWordで書いた資料もある。
FileMakerみたいに写真と文章を自由に整形して閲覧することもある。情報は1ヶ所のネットサーバーにSQL形式で置いてあることもある。
色んなデータを自分なりにまとめて持ち歩けるようにするアプリがなかったため、CLIEという機械の魅力が出ないまま消えていった。
たとえば、Document2Goみたいなソフトがあって、どんなデータでも持ち歩けたとしても、コンバートという手間があると、面倒になる。
しかし、それが普段使っているPCになれば・・・ほぼ同じWindowsが動けば膨大な資産や安易な工夫で色々なものが持ち歩ける。

FileMakerの画面レイアウトを640x480に最適化してボタンを大きめに指で押しやすくした画面を用意すれば、それこそ思い描いた「PDAでHyperCard」の世界が実現するのだ。
私は、それこそがユビキタスではないかと思う。

もう一度書くが、PDAの利点は欲しい情報をすぐ手に入れられる、もしくはすぐに記述できることだ。
この要望を実現できれば、PalmであろうがLinuxであろうがWindowsCEであろうが、携帯であろうが関係ないのだ。
むしろWindowsだったらどんなによいことか。

Windows98で500MB〜1GB、Win2kで800MB〜2GB、XPでは2GB〜3GBぐらいの保存空間があればOSを準備できる。その4GBぐらいの空間にアプリを入れると普通6GBが必要。

そこまで条件をもたなくても、すでに4GBのSDが手が届く範囲にあるのだ!
工夫しだいでは、もう十分な「器」がある!

後はアプリ起動にWin2K以降なら256、できれば512MBぐらいのメインメモリがあればバッチリだ。
液晶は、電子ペーパーがカラーになって応用できるところが、もう少し時間がかかると思うが、このペースならさほど時間もいらないだろう。
そうなると、10時間動くUMPCタブレットPC)が・・・。

キビキビと動くには、セレロン1.5GBぐらいのスピードのCPUは要ると思うけど、あの時はダメだったけど、いまの技術なら、快適な「typeU」は実現できる、そんな時期に来たと思う。
ただし、それを快適と思わせるソフトが無いと・・・また同じになると考えられる。

もうすぐ、もうすぐ。

今PCが欲しい人は、来年以降に訪れるモバイルPCの価値観の変化を踏まえ、高速なA4デスクノートみたいなのに目を向けるのが良いと考えられる。
CoreDuo搭載PCも秋にはほとんど出揃うだろう。Vistaと同時に買うぐらいの感じで冬に投資をするのがよい。

来年の段階で、以下にデータを扱いやすくするソフトがキーになるだろうと考える。
ここで、そういうアプローチをできるメーカーが、今後のPC界を引っ張ることになるだろう。
また、海外に主導権をもっていかれちゃっていいの?日本のメーカーさん。

正直、UMPCNintendoDSにPIMを積んだものか、どちらが主権を握るかの世界に来年は突入するんではないか。このままでは、日本のPCメーカーは・・・。


さて、ようやく、モバイルに面白い兆しが見えてきました。
私のネット仲間には、そういうのが好きな人ばかりだったはずです(笑)

夏ごろに、同士で色々夢を持ちよって酒飲んだり、今後の時代のお話しはどうですか?