XMBを嫌いな理由

PalmOS2005-06-20

いや、そうですね、XMBって、それなりによくできていると思うんですよ。
そういう意味で「SONYの中で」切に考えられたUIではあると思うのです。

ん〜、判りにくいかな、例えば、キーボード。携帯の10キーで日本語を入力するのと、PCのキーボードで直接文字を入力するのでは圧倒的な時間の差があるわけです。
XMBは、いうなれば携帯で文字入力するようなもの。
少ないキーで目的の動作はできるけど、大画面が使え、自由なリモコンを設計できるなら、もっと良いアプローチや「思考」を与えて出てくるメニューを考えて欲しいというのが正直な気持ち。
トラックボールみたいなインタフェースでFF11オンラインの画面みたいに、ある程度エリアやボタンへの吸着機能を持たせたカーソル操作感のほうがよっぽど使いやすいのではないかと、ときどき思えてしまうわけです。

「素人に判りやすい」けど、「馴れた人の時間も奪う」操作感があるXMBは、ショートカットの無いMacのメニューみたいなもので、もどかしいのです。いや、Macのメニューはマウスでサっと行ける分、全然マシですな。

一言で言うと、触ってて楽しくない。自分自身の操作が機械に合わせて指示を作業的に教えてやるって感じだからです。


XMBは、単純に縦か横を選択していくだけですし、判りやすいの1つのテーマである「カテゴリで内容が整理されている」をクリアしているので、初めての人にはとてもとっつきやすいと思います。

これ、十字キー&まん中に決定キーがあるリモコンないしはコントローラなどを前提で考えると、なかなか、どうして良いインタフェースじゃないかと思うんです。
この点については、異論がなく、SONYらしい明快な答えかな、と思います。

でも、とっつきにくい。なぜか。

  • 快適/快速に動くことが前提になる話しであるが(〜反応速度としっかり書くべきかな)、さほど快適な機械で稼働する感じがしない。
  • 縦方向にはジョグのように素早くサっと快適に操作し、横方向は「決定」「キャンセル」で移動する・・・というシロモノなはずのに、ジョグ採用のリモコンorコントローラと必ずしも組み合わさっていない。
  • 十字キー+決定+キャンセルの組み合わして操作する画面は、日本的メニューの「どうする→何を」と英語的メニューの「何を→どうする」がごっちゃになってしまってる感がある(体に馴染みにくくなる)。
  • 十字で選択することにコダワリすぎているため、手順と画面に多くの無駄ができてしまい「あの機能を使うためにボタンを何度も押さなければならない」という自体に陥るし、一覧リストなどの画面がうまく表現できず画面の広さを活かしきれていない。
  • ショートカットが必ず必要になると思われるのに、その体形が整理されていないから、最終的には「初心者用メニュー」で終ってしまう

といったところでしょうか。

GUIを洗練する時に、一番必要なのは「短気」「短期」「単機能」だと思うのです。
「少ないボタンを複数回を押してチョイスする」という答えはAppleMac要素に似た良い選択肢ではあると思うのです。
しかし、これを基本としても、それはせいぜい2〜3回までのボタン押しだと思っております。
XMBは、押さなければいけない数が多すぎ。せめてジョグダイヤルがあれば快適なんだけど、それも・・・ねぇ・・・。


例えば、オーディオの再生と停止、一時停止。この3つは、単機能で短気な人でも一発で目的の操作が達成できます。
これは素晴らしいGUIです。

また、身近なもので、Windowsのなんでも右クリックという考え方(2000以降)で、これは最近できた・・・一見Macにあったようで無かった重要なインタフェースです。

    用途や操作が複雑化してきた中、普通の指示は左クリック(で決定)。 今選んだ何かに対してのアクション・・・プラス要素のメニューを出して選ぶには右クリック。
・・・というこの「なんでも右クリック」スタイルは非常にスバラシイです。
正直、私は、MacOSにはこれ(右クリック)が無いから、最期は手放してWin人になったといっても過言ではないぐらいです。

XMBは、動作・動詞を選ぶメニュー形式です。設定の時刻を変える→時刻を調整、というイメージですよね。
一太郎や携帯電話のように、どうする→何を、なのです。

タイトルリストみたいな画面からもXMBのように十字でメニュー掘り下げるから、一貫してていいんですが、そこまでたどりつくまでに数秒でいけますか?
いけないと思います。
また、画面の左半分は「選んだ履歴」を残してくことになるので、その空きスペースももったいない。

 映像→DVD→タイトル一覧でる→そこから選択→再生するか情報をみるか選ぶ

という流れですよね。DVDを再生するのに手順が多すぎ。画面の半分を履歴に使われるから長文のタイトルリストも欠けてしまうし、なんだかなぁ、と思うわけ。

それを回避するために、例えばディスクを入れたらいきなり再生やタイトル一覧を表示しなければいけなくなるでしょう。
すると、XMBはいらないでしょ。
または、こういうときは、こういう形にしてXMBの有る段階まで省く、というおまけ的な例外処理が増え、快適に使うには最期には例外が例外でなくなり、わけわかんね・・・と、なるわけ。

だから、嫌いなのです。

上記の例なら、DVD入れた時にDVDのタイトルリスト(メニューがあるならそれを出すとか、DVDの設定に従うとか)を出せばいいし、DVDレコの電源を入れたら、タイトルリスト画面がサっと半透明で今選んでいる入力ソースの上に出てきて、ついでに録画中ならその内容をどっかにチラっと出してカーソルが行くようにしておいてくれれば時間の無駄がないのですよ。

XMBは、手順が明確ではあるけど、高度に裏で処理する人工知能を持った「便利」な秘書にはなり得ない・・・というか逆にそれを考える手間を省いて出荷します、といっているようなメッセージを受取れてしまっていて、だから、なんとなく嫌いなのです。
初めから、この機械は「人間が機械に合わせて指示して下さい」と、と言われているみたいな気がするのです。

機械が人間にあわせて状況やケースを判断して訊いてきてください。御願いします。


どんなもんでしょうか?
言わんとしてることが、判りにくいと思いますが、個人的には、

 十字、決定、キャンセル、アクション(なんでも右クリック)、後は数字と4色キー、一発ボタンを幾つか用意するぐらいでいいんじゃないでしょうか。

ほんと、複雑で覚えなきゃ使えないのより、手数が多いのは時間が奪われるから、キラーイですわ。