PDAで何が出きたの?

 さて、しばらくZaurus SL-C3000とUX50の並行利用という手段を試みることにした。
なんといっても、精力的にユーザーに対してソフトを改善し公開して便利に使ってもらおうという姿勢が見えるザウルス。

最近はNewtonをエミュレートできるようになったらしい。ベースがLinuxということもあってこれから化けそうな予感がする。
正直、Palmに吸収されたBeOSUNIXをベースとしていたことを考えると、シンプルなLinuxにシンプルなPalmが載ることは、もっとも自然なのかもしれない。
そもそもLinuxは便利だけどあのGUIGNOMEやKDIなど)が嫌いという人は多いだろう。私もその一人だ。Xsystemはまだシンプルでいいが、あのいかにもゴテっとした色使いやグラデの雰囲気がとても苦手。
その点、BeOSのUIはシンプルでよかった。

それよりも、もっとシンプルでMacOSのver.7(system7.0.2)時代を感じるシンプルさを持つのがPalmOSだと思っている。
最近は有志のソフトウェア作家によって色々UIの改善も試みられているが、PalmOSにはMacOSが持っていた「個人化」の要素と、それを支えるシンプルさが残っているので今後の変化にはどんどん色々な物を吸収できて良いだろう。

で、Linuxの標準GUIPalmOSになって、過去の資産が使えて、さらに堅牢だったらどうだろう。それは、実はもっとも凄いことかもしれない。
今のままではDoCoMoの資産力でSymbianが優勢になりつつあるが、モバイルのみならず、一般人のライフに必要な「動き」のほとんどをSONYCLIEというソリューションで垣間見せてくれた。

で、そのPDAというもので何が出来たか。有志のソフトウェアも含めて今一度考えてみたい。

  1. スケジュール管理
  2. アドレス管理
  3. ToDo /メモ(文字、手書、音声、録画)
  4. 写真や動画、音楽の閲覧視聴、TV予約
  5. インターネットブラウジング、メール、インスタントメッセージ、2ch閲覧
  6. 管理(小遣、お店、燃費、体重、食事、資産、生理、番号)
  7. 簡易的なデータベース、PCで出力した情報の持ち出し
  8. 乗換案内、地図閲覧、GPS、(世界対応)時計、天体表示
  9. 文書入力閲覧、MSOffice関連、プレゼンテーション、Homepages作成支援
  10. (関数)電卓、辞書
  11. 教育系ソフト、学習、ゲーム

と、まぁ、調べれば調べるほどパソコンと変わらない。初めてN700cでPDA世界に飛込んだ頃と雲泥の差がある。
既にPDAでなんでも出きる時代になりつつあったのだ。

ようは、「何が出きるか」ではなくて「これが便利だ」を訴えきれなかったメーカーとユーザーコミニュティの敗因がPDAの失敗に繋がったのではないか、そう思えるぐらいの量のソフトが転がっている。

これは丁度パソコンが辿った道と同じだ。パソコンで何をやる?と誰しもが一度は考えたことがあるのではないだろうか。
それと同じでPDAで何をやる?と悩んでも、結局自分がやりたいことをする、という答えしか浮かび上がらないのだ。

PDAの敗因、それはやっぱりゲーム機と同じ何じゃないか、って思うん。
どんなイイゲーム機が出ても、ソフトがなければ、面白くなければ買わないでしょ?
同様に、どんなに機能満載のPDAがでても、それを活かしきれていない環境がなければ、それは放っておかれるわけ。
CLIEの敗因は、モデル別にこの機能を変えたために「統一性」がなくなり、ソフトでカバーするのが大変になってしまった点。
カメラとかFelicaリーダーとかそういうのより先に、キーデバイスが・・・。
Backボタン付いたりジョグシャトル付いたり、ボタンが3個だったり4個だったり・・・。


ゲーム機だったら有り得ないでしょ?(笑)
PS2では■や▲ボタンがあるけど、PS2のチッチャイ版には▲ボタンが無いんです、なんてことありえなーいわけ。

また、PDAはゲーム機と違って「プリインストールされたソフトがある」んですよね。
いわば、PSXみたいに単体でも遊べるわけ。

でもね、みんな、PSXを買っても、それだけで普通にソフトを買わないで「ゲームで遊べない」というやつは居ないと思うんです。
PDAもそれと同じだってことを皆に訴えきれなかった、これが敗因じゃないかな

SONYは、そういう意味でソフトの提供に頑張った方だと思うんです。何年も前のPIMソフトしか付けないで販売するPalmOneとは大違い。例えるなら、PSPにモノクロのブロック崩しを付けて販売しているようなもの。
どんなに良いハードを作っても、ソフトがなければ・・・という部分を、ユーザーまかせに頼り切ったり、メーカーの押しつけばかりだったりしていたからダメだったわけ。

正直PDAの業界は、iambic(あいあむびっく) のAgendusのアイコンを出した後はしばらく静観していたのだけど、こういうことをちゃんと伝えるメディアがほとんどなかったと思う。

使っている人は判っていたことでしょう。KsDateBookがあるからPalmがイイ。
私だったらAgendusがあるからPalmが良い、ってことです。

ただ、そのソフトの選択肢がまだまだ少ない、だから、PDAそのものの評価にダイレクトに響いてしまっているということ。
それなら、ゲーム機にプラットフォームを移してしまえ、そうすれば色んなメーカーが目を向けてくれて色んなソフトが登場するのではないか、そうすれば全体的に活性化する、という結論が出てもおかしくはありませんね。

でもって、もう一度PalmOSを見つめます。

ソフトがシェアウェアで多いのは、どうしようもないことだと思います。だってPSPでゲームソフトがタダじゃないよっていうバカは居ないと思うんです。
ただ、例えばアドベンチャーゲームをやりたいっていう要求に「ポートピアしかない」っていうのが今の状況。
私からいえば、RPGツクールならぬデータベースツクールとか、まぁ、なんとかツクールシリーズPalmに登場すればよかったのではないかと思うんだけど、そういうところまで行かなく、ソフトの開発も難しい部分が多い、簡単なはずのNSBasic等でも最新技術を使えないとか色々制約が有りましたからね、そういう意味で残念です。

で、このままPalmは消えるとは思いません。でも、Palmが生き残るには、Linuxとセットになる・・・いや、これに下手な課金や制約を導入しなければ、もしかしたら生き残るどころじゃなくてMacOS Xを越えるかもしれない、そんな気もするのです。
例えば、ZaurusPalmが載ったら面白いよね。
自作機はLinuxPalmにするってやれば、面白いよね

で、NintendoDSに載ったソフトもZaurusや自作機Linuxでも使えたら面白いよね、そうなればLinux搭載マシンさえ作ればいいだけだからメーカーも色んなハードを作ってくるよね、そうしたら・・・。

PalmLinuxの先には、オープンプラットフォームの光が見えているんですよね・・・。無くなるのはもったいないけど、PalmOneさえ頑張れば、もっと良い世界が見られるぞ。
まぁ、SONYにしてみれば面白くないかもしれないけどね。自社で囲い込みできないっていうのは・・・。