今回は、10年間独りで暮らしてきて、身についている、いいお料理を作る方法である。。

独りで暮らすとどうしても食事が偏る。それは、外食にしても自分で作っても同じなのだ。自分の嫌いな食べ物や面倒なものは食べなくなっていく。いい例が、「天ぷら」だ。

どう考えても油はもったいなく、
さほど量を食べないし、外で食べるほうが結果的に美味しくて同じぐらいの値段で終わっちゃうこと、多い。

逆に作ることが多いのが「カレー」だろう。そして、カレーはルーを変えるだけでシチューにも化けるのでもっとも作ることが多い料理のタイプだ。他にはどういうものを作っているだろうか?

スパゲティはミートを缶詰にするととても簡単にできる。慣れてくると自分でミートを作ることもできる。ミート作成時間は最短で40分ぐらいでできるのでイザ大勢集まったときに「料理作れるんだよなぁ?」「作って見せてよ」といわれたときに、「おぉ〓」っと言わせる技にもなるので、覚えると結構使える。

ところで、このとき、レタスを使うかな?

レタスは、すぐにダメになるから食べないという人も結構いるだろう。実は、このレタスには「あるしかけ」をすることで、普通より長持ちする方法があるのだ。それは、「芯を抜くこと」である。新鮮なレタスを買ってきたら、冷蔵庫に入れる前に「芯だけ」をくり貫いてしまう。レタスの芯はキャベツと違ってほとんどの人が料理に使わないだろう。実は中華料理風にすれば使えるのだが、使う使わないは、あなた次第ということで、芯を抜いてしまえば、結構ぱりぱり状態で長持ちしてくれる。もっともレタスが入ってる冷蔵庫の温度を下げすぎると水分が凍りになるので意味なくなる。温度管理には注意しよう。



芯といえば、あなたの料理を美味しくする技がもうひとつある。「にんにくの芯は使うな」ってことだ。これは、イタリア人から聞いた。ニンニクの芯は「くさい」「胃がもたれる」「にがい」の元になる。よく中華料理で包丁で「バン」っと潰す奴を見るが、あれば芯の少ない新鮮なニンニクでしかやってはだめだ。スーパーなどで売っている安いタイプのニンニクはほとんど「うまくない芯がある」。

面倒でも、この芯を抜いてから料理に使うと、あなたの料理が2ステップぐらい上品になる。ぜひ試してもらいたい。とくにペペロンチーノなんかを作るときにはもうやらないとダメだ、というぐらい味が変わる。一度慣れると面倒でもそうしたくなる。そして、これに慣れると市販のすりおろしたタイプのニンニクは買えなくなる。

餃子なんかも、家庭で作るときには芯を抜いて一度中身を焼いてニンニク特有の苦味をとっちゃうとぜんぜん美味しくなる。キャベツや白菜を一度ゆでて使い、それを入れたタネも一度焼いておくことで出来上がりの味がランクアップする。



 さて、ここまできて、やっぱり料理は面倒だなぁ、と思うだろう。そう、料理はどれだけ手間と愛情?をかけたかが、おいしさをアップさせる秘訣なのだ。でも勘違いして欲しくないのは、「手間=時間をかける」ではないことなのだ。

手間、というのは工程が増えているだけで、時間が増えているわけではないのだ。??? わかるかな?

例えば、ニンニクの芯を抜くという作業は大変だが、炒めるスピードが素早く行なえればトータルの時間は同じで、しかも、ゆっくり作るより味が逃げない分美味しいものができたりする。ここで重要なのは「下ごしらえ」だ。

中華では、必ず「湯通し、油通し」があるのをご存知だろう。素早く炒めるために一度に入れたときに同じ時間でベストな状態に持っていけるように先に熱を加えることだ。油通しの場合には片栗粉などを加えて味も封じ込める役割がある。こういう作業をすることで、工程が増えても時間の短縮ができる。



そこで、まず、以下の箇条文を見てもらいたい。

  • 中華系の料理のキーワードは「揃える」
  • フランス系の料理のキーワードは「ソースさえあればすべてOK」
  • イタリア系の料理のキーワードは「オリーブオイルと香草とニンニクの芯」
  • 和食のキーワードは「しょうゆを少なめにし、ダシで味を調える」
  • これが、私なりの料理へのキーワードだ。逆にいうとこれが判るとあなたの料理が総てランクアップする。あとは手間を最短の時間で処理する技術を「鍛錬」によって習得するだけだ。

    1. 【中華系:「揃える」】


       中華に必要なこと、それは、なんでも揃えていく、ことだ。当然私なりの解釈だが大筋はそれていないと思う。

      この「揃える」ってのは、つまり、食材をカットするときの大きさ、炒めるときに最後に味を調える段階でちょうどいい感じに熱を加えるということ、そういうことだ。
      予め熱をかなり加える必要のあるゴボウやにんじんなどは、先に火にかけ、ブロッコリーやピーマンなどは最後に加えて混ぜるだけでOKになるよう、先に茹でたり油通ししたりと、それぞれの食材にベストな形で火を通して、最後に「ドン」とあわせる。そして仕上げは1分前後ですべて終わらす。これがランクアップへの道だ。

      食材の大きさを揃えるというのは、火を通すときにどのカットも均一に熱を与えるのにとても重要。熱のとおり方にムラを作らないためだ。


    2. 【フランス系:「ソース」】


       フランス系は、ソースが全てだ。逆にいうとソースさえ作れれば自分の家でも「フランス料理っぽい」食事ができる。このソースは手間隙かけるタイプとすぐにできるタイプがあるので、すぐにできるタイプを覚えるのが手っ取り早い。

      なかでもトマトを使うタイプかチーズ系のタイプはすぐにできるものが多い。一例として、ベーコンをカリカリに炒め、そこに赤ワインといれアルコールを飛ばし、トマト缶を手で潰してから入れ、最後に塩コショウで味を調える。これだけで、ソースのでき上がりだ。

      これぐらいのソースなら、5分もあればできるだろう。これを鳥や鮭を焼いたものに使うだけで、あとは盛り付けをフランス料理風にすればそれだけでちょいとした料理になる。

      どうだろう?ソースなんてのはアイデアであって、自分で美味しければどんなんでもありだ。イカを買ってきてオリーブオイルでワタといっしょに炒めてバターとバジルで仕上げるでも立派なソースだ。フランス料理は難しいなんて思わず、フランス家庭料理を作ろうとすればかなり色々作れそうだというのが判るだろうか?このソース作りは色々なレシピ本があるので本屋で見つけるのも良い。


    3. 【イタリア系:「オリーブオイルと香草とニンニクの芯」】


       イタリア系は、ニンニクの芯を絶対使わないと心に決め、油のほとんどをオリーブオイルにし、エッセンスで香草を使えばできあがりなのだ。このオリーブオイルも少しこだわりを持とう。それは「なんでもエキストラバージンにしない」ことだ。

      香りが強いExtraタイプはサラダや仕上げに使うと美味しいが、はじめから使うと「くどく」なる。慣れないうちはむしろピュアタイプだけにしたほうが使い勝手がいい。うちではほとんどExtraタイプを使っていない。

      バルサミコなんてのも使っても良いが、日本人の味覚に合うとは思えないので慣れるまでは手を出さないかワインの方がいい。

      オリーブオイルには変化をつけるため、あらかじめ小さなビンのタイプを何本か用意し、そのビンに「バジル&シソの葉」をいれたもの、「鷹の爪」を入れたもの、「ワインのアルコールを飛ばしたもの」を入れたもの、なんてのを作っておくと後で料理に使いやすい。とくに香草系をオリーブオイルに(ドライヤー等で少し乾燥させてから)入れたものを数本作っておくと、あとで鶏肉とか魚を炒める時にそれを使うだけでリッチな料理ができるので覚えておこう。

      イタリア料理はオリーブオイルと香草をちょびっと、という使い方をすればかなりイケる。そして、あとは、トマトをいかにおいしく扱うか、だけなのでとりあえずはトマトを煮込んで使ってみよう。市販のホールトマト缶詰なんかが結構安く売られている。これを使う前に手で潰してから入れればOK。

      そうそう、イタリア料理を早く覚えるにはトマトを煮込むのにも「フライパン」でやるほうがいい。家庭のガスコンロは火力が弱いので「フライパン」で料理するほうが結構はやく水分を飛ばせる。


    4. 【和食:「しょうゆを減らしてダシにこだわる」】


       これも地方により差があるので難しいが、基本的に今回は家庭料理を上品にするコツというコンセプトなのでその方向性で考えたい。で、和食で上品、というと、やはり関西、それも京都系だろう。まぁ、あそこまでいくと好みに分かれるので「もどき」で考えたい。

      和食のコンセプトは「薄味でダシの味」に限る。この薄味ってのは、なにも塩もあまり使わないというわけではない。事実、関西方面の味付けは「塩+ダシ」が多いと感じている。関東は「醤油+さとう」だね。

      で、私の理想の和食は「素材の形や色が活きていて、あじもしっかり染み込んでいる」というもの。これには「醤油はあまりつかわない」ことなのだ。で、ダシを少し多めにする。とうぜん味の濃度が上がる分、塩も少なめでいい。塩が少なくて済むなら砂糖もさほどいらない、となる。

      結果的に、ダシの料を増やせば他が少なくなるために余計なものを入れなくて済む=素材の味が生きてくる、のだ。和食は素材の味を楽しめる方向にすると楽しい。よく家庭料理で煮物で醤油バンバンのものを見掛けるが、惣菜屋とかで売られている煮物は「ちゃんとレンコンやニンジンの味がする」であろう?

      そういうものの味が消えるほどの調味料をつかっちゃぁいけないのだ。いかに「素材の味を活かす」かが、和食のポイント。まぁ、いなご煮のようなものは例外として、「漬物や佃煮」系は煮込んでしょっぱくしてなんぼ、ってことだからあれば別世界。そういうタイプの和食は度を越えると体にも悪そうだから独り暮らしには向かない。



     さぁ、どうだろうか?あなたの食生活が簡単に変わること間違いなしだ。とりあえず、オリーブオイルを用意する作戦やダシ作戦、食材の大きさを揃えるコツ、ソースさえあればなんでもOK、など、今すぐにでも、そして安くできること間違いなしだ。


     独りで暮らしていないあなたでも、料理ができないというあなたでも、魚を焼いて「あらかじめ作っておいた香草オイル」で仕上げれば、簡単にリッチな気分になれるってこと。
    その魚と、新鮮なレタスにパルミジャーノレジャーノなチーズをスライスして乗せたサラダ、白ワイン、焼きたての固めのパンと揃えば、そこはレストラン。



    あなたの腕前もこれでランクアップ。