iPod Shuffle

これ、スゴイですね。色んな意味で。
個人的には買いませんが(音楽そのものへの興味が減っているので・・・)、この
価格と容量が小さいメディアへの捕まえ方というか。

iPodは好きな曲を全部もっていけるよ、MDみたいに取り替えなんて煩わしいことしなくて
いいんだよ。という発想なのに対して、こっちは好きな曲を全部持ち歩くと飽きやすく
なるから、ラジオみたいに知らないところで勝手に選曲してくれ(ただしベースとなる
ものは自分が気に入った曲がメイン〜そりゃ自分の手持ちにあるものだから)っていう
発想なわけで、iPodと似ているが性格は逆です。

もちろん、自分で好きな曲のみを持っていけることもできるでしょうが、Shuffleの
テーマはそれじゃないでしょう。
そして、それを、1GBで1.6万程度で実現してしまうというのがスゴイ。
例えば、1GBのSDは今1万。+6000円で音楽が聴けるなら普通にCDPlayerを買った気分。

MEMORY STICK だと・・・1GBは今3万ぐらい?(汗 ・・・このメディアはもう死んだ


で、iPodと性格が逆なので、バッティングしない。Shuffleを先に買った人はもっと
いっぱい持ち歩きたい→iPod(Photo等)へ目が行き、Podの人はライトに使いたい→Shuffle
へ、という具合に相乗効果があります。

やはり、音楽を管理するソフトとして iTune を無償で、しかもWinとMac両方に提供した
Appleはスゴイ。
メディアにもソフトにも縛りを入れたSONYは、もう取り返しがきかないでしょう。

時代の波がきたとき、

 (1)便乗して利益
 (2)行き渡ったら、プラスαもしくは ニッチ市場
 (3)ベースにした新発想

という順序でいけば、順調に楽しみ、会社としても潤うはずです。

 (1)iPodに接続して使えるなんたら〜
 (2)iPodにデータベースとか最新情報を載せてなんちゃらで使える
 (3)iPodそのものをカセットに見立てたような市場を開拓

という展開をしていくとグー。
しかし、SONY

 (1)iPodに対抗して出してきたのは縛りのある環境を提供
 (2)肝心のMEMORY STICKメディア戦略で規格乱立・価格高値
    さらにSonicStage使いにくい、あっちこっちで使えないイメージが定着
 (3)PSPでも・・・

似たような展開でも、失策と言わざるをえない。
この根本にあったのは、そう、MEMORY STICKの失敗です。

個人的には、MEMORY STICKは好きなメディア形状です。SDと違って小さすぎず、
持ちやすい。ある程度大きいから大容量に期待できる。
私はMEMORY STICKについては、初めこんなイメージを持っていました。

現実は違った。

  • 携帯電話に搭載するのに不向きだった
  • そのためDuoという規格が増えた
  • MAGIC GATEという著作権管理の機能を増やしたモデルを作った
  • そのときにメモリ上限も見直しておけばよかったのに、128MBの縛りのまま出した
  • あっというまに128MBなんて小さい世界が来た
  • 全部リセットのつもりでだしたProも、見通しが甘く著作権管理部分で問題があり未だに対応できない
  • MEMORY STICKの転送速度の遅さが明るみに出た
  • 高速版という形を取っていれば良かったのものの、全部リセットのProをやってしまったので、出せなくなった
  • 全部リセットのProが、あたかも無茶苦茶速いというイメージを強くだしすぎてしまった
  • 高速に読み書きできるリーダーが市場にあまり出まわらなかった
  • VAIOでProに対応すべきだったのに、著作権管理部分ができていないので、採用できなかった(プリインストールのSonicStage音楽管理ソフトで問題が起こるから)。
  • DuoとProと普通の3タイプに分裂し、それぞれに亜種が発生し、ややこしくなった。
  • 当初高額なライセンス料だったために、色んなメーカーが参画しなかった。
  • メーカーがほぼSONY1社の規格になってしまったため、量産効果が得られず高値のままになってしまった。
  • 音楽業界にProの著作権管理の甘さがあるために強く普及させられなかった
  • 音楽を持ち歩ける=ただし128MBまで、というイメージが結局カーナビやその他に発展できない小規模メディアというイメージに繋がった

というように、失策の要因はたくさんあります。
SDを見ると、非常に判りやすい。携帯にminiSDを作ったけど、混乱は起きてない。
つまり、Duo路線は失敗じゃない。やっぱり速度の遅さ、128MBの壁:とりわけ対応する
といって未だに全然発表できないProのMAGIC GATEの問題の2点が問題。

Proといって全部リセットしたはずのものが、顧客から見てProならなんでもOKで、
大容量・高速転送が期待できると思っていたのが、両方駄目です。そんな仕様を実現
できるリーダーがありません、じゃお話しにならんどころか、Proを発売当時に買った
人は憤慨しかないだろう。

当時7万もしたProの1GBが、CLIE専用になるとは、さすがに俺でも思いつかなかった。
しかも、その1GBですら、高速転送じゃないってところまで。
さらに輪をかけて、そのCLIEまで終わらしたわけだし。

正直、公約違反ぽいよね?これ。金かえせ!SONY、といいたい人は多く居るはず。
俺もその1人だす。

SONYは、安いモデルにしか手を出すな、というのがここ数年の結論かも。
SRXは15万で買ってすげえ満足したし。

と、ここまで書いてきて、長かったが、言いたいことは、実はこれ。